「営業マン」に役立つ豆知識ブログ

ブログ運営者:竹村文利(1985/10/25)。関東勤務の会社員です。現在まで10数年”営業職”というものに就いてきて「営業マン」に必要なことは何か、先輩から教えてもらったことや自身が学んできたことを振り返るブログです。新卒の方や営業職で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

営業の適正ジャンル

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営業職は顧客との対人関係のウエイトが大きい職種であるため、各営業マンのキャラクター・人物特性によって、その人に向いている分野、向いていない分野が比較的はっきりと分かれます。
適性ジャンルは個性と連動し、大きく3種類に分類できます。

・活動型
メッセージ発信力やアクティブさ、ノリの良さが営業成績に直結

・傾聴型
活動型とは逆に顧客の微妙な意図に対する共感性や聞き入る力が業績に結びつく

・頭脳型
複雑な段取りや高度な顧客要望に素早く的確に回答する頭の切れ味やロジカルさが命

また、商品や商材にもそれぞれ固有の売れる営業マン適性があるため、自分の得意ジャンルをフィールドとして選ぶことが稼げる営業マンになるうえで非常に重要なのです。


■売れる商材に強い「活動型」

「活動型」は、多くの人がセールスマンとして思い浮かべるような王道の営業スタイルで業績を上げるジャンルです。
売れる理由が明確な商品分野では、とにかく顧客へのメッセージ発信力の強さが営業成績をもっとも左右します。

メッセージ発信力には、「ぜひ買ってください」と爽やかに言い切れる発言力のほか、顧客にかわいがられる愛嬌や少々の図太さ、客先を飛び回れるバイタリティ、考える前に電話をかけているような人懐っこさなどが含まれます。

また、このジャンルの法人向け商品では、受注までに社内事務や顧客内の稟議など購入決定が滞る事象がつきものであるため、あきらめず繰り返し客先に足を運ぶしぶとさも勝因になります。「ご検討状況をおうかがいしたいと思い、ご連絡差し上げました」という電話一本が受注率を大きく変えるのもこのジャンルです。

売れている商品、定番商品、成長しているメーカーなど、明確に売れている理由がある企業に身をおくことで業績を大きく伸ばせる機会があります。


■信頼が継続取引を呼び込む「傾聴型」

「傾聴型」は「活動型」とは逆に、顧客の話を聞く営業スタイルで信頼感のある継続的な取引関係を築き上げるジャンルです。

商品分野としては、金融商品やサービスなど、購入の決め手となる理由が曖昧、または買い手によってバラバラなものが向いています。

傾聴型の「聞く力」には、表面的なヒアリングスキルだけでなく、他者のエピソードやドラマに感情移入してしまう共感性や、素朴で誠実な人柄、困っている人を見るとつい助けてしまうホスピタリティ・献身性などが含まれます。

人間関係における信頼感は、言葉にあらわれない部分も幅広く含まれた総合判断で決まるため、付け焼き刃でごまかしが利かないのです。


■ビッグディールを切り回す「頭脳型」

「頭脳型」の分野は、表面的な対人コミュニケーション力と異なり、より抽象的なアレンジメント(高いレベルの段取り)の良し悪しで営業成績が決まります。

この分野はB2Bの無形商材としてイメージされているものが多く、単品ではなく複数の商品を組み合わせて機能する複合商品や、複数の専門サービス業者の連携によって進めなくてはならないプロジェクト型のビッグディール(大型商談)が主なフィールドといえます。

法人大型案件で頭脳型の切れ味が求められるのは、ひとつにはプロジェクトの完遂に不確定要素が多く、状況に応じて納品までの段取りを手際よく進めなくてはならないからです。想定外のイベントが起きた際に、それが一部の事象であっても全体が機能しなくなるような結果を迎えるリスクがあるのです。

頭脳型の提案力は、多くの要素を組み合わせて考えられる緻密なロジカルさが前提となり、また、あらかじめリスクを見通せる批判的洞察力、考え抜く体力や責任感、有事の瞬発力を生み出すリーダーシップが含まれます。

また、職種分類では、自社のチャネル設計・計画にたずさわる営業企画や、トップセールス対象となるような大口顧客のアカウントマネージャー、自社ラインを束ねる営業マネージャーに向いています。


■自分に合ったフィールドを選択しよう

このように、活動型・傾聴型・頭脳型、それぞれに売れる理由として必要となる人物特性が根本的に異なるため、「自分のキャラクターに沿ったフィールドでなければ活躍が難しい」と言えるでしょう。

ただし、この分類は大まかなものになりますので、実際には各営業マンの個性の組み合わせによってより詳細な適性を探していくことが大切です。